1/8-1/14

1/8 くもり

久しぶりに「いってらっしゃい」のLINEを送る。恋人のインフルエンザが治った。

アウターの袖をウタマロ石鹸で洗った。色がアイボリーで汚れが目立つ。袖以外が濡れないようにアウターを抱える。日が暮れたあとは部屋に干していた。母が「袖だけ外して洗えばよかったやん」と言った。このアウターは袖を外し、ダウンベストとしても着られるものだった。こういうどんくさいことをしばしばやってしまう。

夜、不安がやってきた。どうにか自分を励ましたくて行きたい舞台のチケットを買った。

 

1/9 晴れ 寒い

証明写真を撮りにいくので、「証明写真機」(又吉直樹『月と散文』)を読む。

近くの証明写真機はコープと駅にある。以前、コープのほうで失敗したので、駅のほうへ向かう。風が冷たい。アウターの袖からかすかにウタマロ石鹸の香りがする。証明写真機に入る。決済方法とモードをボタンで選ぶ。椅子の調整をして、顔の位置を確認しようと画面を見たら真っ暗だった。顔が見えない。これは壊れている、ということだろうか。「証明写真機」では、又吉さんも壊れた機械と出会った(そして機械と話していた)。まだ写っていない。まだお金を払っていない。上着とマフラーとショルダーバッグを抱えて、ごめんなさいと機械から出た。

コープの証明写真機へ。こちらのほうが百円安い。同じように操作して、椅子を調整して、前を向くと顔が写った。どうやら駅の機械は照明が壊れていたらしい。連続して三枚撮る。一枚目、半目。二枚目、寄り目。三枚目、マシ。三枚目を印刷した。ほんとうにマシだ。マイナンバーカードも免許証もひとに見せることが憚られるような変な顔なのに、今回はマシだ。帰りしな、何度も鞄から写真を出して、見て、「マシだ」と思った。

 

1/10 くもり時々雨

病院へ。薬を半分の量に変えてもらう。

 

1/11 晴れ

10時起床。薬の量が減っても起きられない。

15時、電話が鳴った。わたしが「はい」と相槌を打つたびに相手が小さく「はい」と言うのが気になる。新しいアルバイトが決まった。調子が良くなり、クリーニング屋・銀行・郵便局へ行って用事を済ませた。帰りにセブンイレブンでコーヒーを買う。十杯買う毎にクーポンがもらえるキャンペーンがあり、残り六杯となった。たぶん達成できない。コーヒーを「濃いめ」にするのがすき。

18時、イオンから荷物が届く。配達員が「寒くなりましたねえ」と言った。それから、妹、母、妹の順に帰ってきた。

 

1/12 晴れ

業務用フライヤーで揚げものをする夢を見た。起きたら11時。

昼寝から起きると17時だった。急いで米を炊く。カブ・厚揚げ・こんにゃく・豚肉を入れた煮物をつくる。味付けはうどんスープ。水を入れすぎてしまい、母に味を調節してもらう。カブがほろほろでよかった。

 

1/13  くもり 昼、にわか雨

9時起床。出掛ける日に寝坊をした。

大山崎駅集合。石清水八幡宮へ。車を停めてケーブルカーに乗る。電車と同じようにSuicaで通ることができた。人を分け入るように乗りこむ。髪を結って着物を着たこどもがきゃっ、きゃっ、と声を出していてかわいらしい。帰りは歩いて下ろうか、と話していたが、ケーブルカーが山を上っていくさまを見て「やめよう」と決めた。

恋人が「僕、厄年やねんな」と言った。「正月からインフルに罹ったし」「ほんまやな」

鳩みくじを引いた。きらきらぴかぴかの鳩だった。恋人は「豪華だ」と言った。豪華な鳩。運勢は小吉だった。「謙虚に」と書かれていた。正月のおみくじといい、当面の間、控えめに過ごすべきなのかもしれない。

右手に「厄除けうどん」の案内が出ていた。「食べたほうがいいんちゃう」と言う。出汁のよい香りを横切って、ケーブルカーのほうへ向かう。途中、雨がぱらつく。階段を降りれど降りれど、ケーブルカーに辿りつかない。もうこれは下山してるね、と笑う。「どこで間違えたんやろ」「うどんのところを曲がらんとあかんかったかも」「やっぱり?」十五分ほどで駐車場に着いた。さほどつらい道ではなかった。

昼はドトール珈琲農園へ。店員は水、カトラリー、「お会計の際、こちらをお持ちください」と鍵を置いた。店員が去ったあと目を合わせて笑う。わたしはパンケーキとコーヒー、恋人はフルーツサンド、ドトールドッグ、デカフェのコーヒーを頼む。待っている間「スイカゲーム」で遊んだ。パンケーキとともに来たメープルシロップはミルクピッチャーではなく、大きな入れものに入っていた。すきなだけかけられる。焼くのに時間がかかると言われたパンケーキを食べ終えても、ドトールドッグが来ない。店員を呼んだらすぐに持ってきてくれた。いつものドトールにあるジャーマンドッグよりもかためのパンのようだった。

恋人が電気毛布を買っていた。意外と安く、良さそうならわたしもほしいと思った。

19時前、Mさんと合流。「おかんとひとしな」という居酒屋へ。Twitterで知り合ったお姉さんが、お母さんとお店をはじめたと知り、皆で行くことになった。カウンター席に並んで座った。お通しを「おいしい」と食べていたら、お母さんが「うれしい。おいしいという言葉に敏感なんです」と言った。

Mさんが「これさらっちゃっていい?」と最後の一切れを取った。「さらう」「さらえる」は大阪の方言で「たいらげる」という意味らしい。

お母さんもお姉さんもよい具合に話しかけてくれてたのしい時間を過ごせた。どのお料理も美味しくてお酒がすすんだ。また行きたい。

Mさんが京都のほうに泊まると聞き、途中まで一緒に帰る。コンビニに寄った。雪見だいふくが厚もちになっていると教えてもらい買った。たしかに厚め。飛んで埼玉の話から、地元のスーパーや市のマークの話に発展した。皆、住んでいるところがちがうのでおもしろい。

 

1/14  晴れ

名古屋へ。

久しぶりに運転する。免許を取ってから高速道路を走るのは初めてだ。合流は命が削れるような気がする。大山田PAで運転を代わってもらう。みちまるくん焼きを食べた。助手席に座ると眠気がやってくる。

名古屋高速がやっているネックス・プラザへ行く。受付にいた「ナコちゃん」のぬいぐるみがかわいかった。

ぴよりんのカフェへ。二十組ほど待っていた。順番まで近くを歩く。ナナちゃん人形を見て、名鉄百貨店で鬼まんやあんまきを買って、キオスクの商品を眺めていた。一時間弱で順番がきて、店へ戻る。ショーケースに並んでいるぴよりんを見て、意外と小さいと思った。三つくらい食べられそうだが、一つにとどめておく。コーヒーとともに注文する。恋人はぴよりんのサンデーを頼んでいた。隣の席のひとはスタンダードの黄色ぴよりんと期間限定のピンクぴよりんを並べて写真を撮っていた。小さいものは並ぶとかわいい。小さいし軽い。あっという間に食べ終えてしまった。

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コーヒーを飲みながら、次の行き先を決める。これは「旅行」ではなく「おでかけ」だから、適当でいいねん、とふたりで話す。大阪や京都で遊ぶときと似た心地でいる。

伏見で降りる。検索をすると「伏見」という地名は京都の伏見からきているようだった。名古屋市科学館へ行くと、チケットの購入列ができていた。電子チケットであればスムーズに入場できるようなので、近くのコンビニでチケットを発券して入る。以前、海遊館でも同じ手を使った。ハンズオンの展示が充実していたように思う。

歩いておかげ庵へ。大福を焼いた。恋人はおでんを食べていた。おでんの具の話をした。恋人の家はこんにゃくと糸こんにゃくの両方が入っていると聞いた。うちはどちらかひとつか、こんにゃく発表が入っている。食べている間に日が暮れて、街灯がつき、電飾が光っていた。

散歩して、山ちゃんで夕食を食べる。パイナップル酎ハイを、恋人はパイナップルジュースを頼む。同じパイナップルの飲みものなのに味が違った。たこわさは辛かった。お酒を飲むわたしがたこわさを嫌いで、お酒を全く飲めない恋人がたこわさを好んで食べているのがおもしろい。チクチー揚げというものがすきだった。

はやめに名古屋を出る。御在所SAを通過するころ「大学のときカーシェアして御在所にごはんだけ食べにいくのしてたよ」と教えてもらった。そういうのいいなあと思う。鈴鹿・土山に寄って、家路についた。