3/25-3/31

3/25 くもり時々雨
スーツを着て、パンプスを履いて、颯爽と歩くのはとても心地よかったが、ユニクロの鏡に映ったのは顔の赤い女だった。病み上がりの女である。買いものを済ませて、帰る。


3/26  雨
この街での暮らしを文章にしたい、と記憶を辿っていた。もう父がいないことがとてもかなしくて泣いてしまった。この街での暮らしは、父との暮らしでもあった。あんなに父が憎かったのに、いまはいい思い出と、してあげられなかったことしか浮かばない。


3/27  晴れ
バイト最終日。短期のアルバイトなのに、ほんとうによくしてもらった。最後にお菓子をもらった。仕事ぶりを褒めてもらった。あなたならどこへ行っても大丈夫、と。ありがとうとさようならを伝えられる別れはさみしいけれど、清々しい。
もうこの街で起こす行動のすべてが「最後だ……」と感じるモードに入っている。


3/28  晴れのちくもり
宮城へ。
夕方に自由時間があり、ひとりで塩竈を歩く。日が隠れて、肌寒い。鹽竈(しおがま)神社へ。階段をのぼって境内に入る。息が切れる。お詣りをして、おみくじを引く。むすひみくじ。お守りのような生地に、くるくると巻かれたおみくじが入っている。小吉。年が明けてから、ずっと小吉。ゆるやかな坂をくだりながら帰る。河津桜が咲いていた。雨が降りだしそうだった。
夜は寿司。おじさんの話がつまらなくて、みんなの口角が下がっているのがおもしろかった。


3/29 雨のち晴れ
おじさんの長い話にうんざりしていた。夜のバイキングも億劫だったのだが、おじさんの彼女のなっちゃんが来てくれて、たのしい夜になった。


3/30 くもり、あたたかい
六時に起きて、大浴場へ。けっこう人がいた。松島が見え、仙石線の音が聴こえる。塩素のにおいもする。朝ごはんを食べてから二度寝した。
十八時、伊丹に着く。一時間遅れだった。家に着いてから、母と夕食を買いにいく。こころが重たくなるのがわかる。苦手な家を出て、すきなひとと暮らせるのに、さみしくて、ほんとうにこれでよかったのだろうか、と思ってしまった。


3/31 くもり
引越し。本・服・ぬいぐるみとともに滋賀へ。
夜、ジンジャーエールと、桃とジャスミンハイで乾杯する。ジャスミンハイは味のついた水のようだった。こんなにもやすやすとしあわせを手に入れてしまってもよいのだろうか。しあわせになることがずっとこわい。
 

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日記もお引越しします。

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