3/4 くもり
昨晩、眠るまで泣きつづけた。涙があたたかかった。じぶんを虐める声が聞こえる。朝になってもその声が聞こえる。化粧をしながら泣いた。休みをもらって受診することにした。
バスにゆられて病院へ。つらいときは、息をしっかり吐く・合谷を押す・ぬいぐるみを抱きしめる、と教わった。頓服を処方してもらう。気分が落ちつく。
夜、またこころがぎゅっと押されるような心地がする。すこし横になる。回復したら、蟹の親子さんの『日記集 水筒』を読む。分厚くていい。
3/5 雨
父が亡くなって一ヶ月が経った。今日は月命日。花を買おうと思っていたが、雨でやめた。明日にする。もともと生活にいなかったひとがほんとうにいなくなっただけで、直葬を終えてからかなしむことはなかった。ときたま、母が父を悪く言う。実際、悪い。そのたびにくたびれる。わたしは、されたことよりも、してくれたことを思いだす。許したわけではないけれど、恨むフェーズは越えた。思い出を愛していることがいけないことのように思える。と、同時に、いつまで悪口を言うのだ、済んだことだろう(おまけに死んだ)、他所でやってくれ、とも思う。
マインスイーパーにはまっている。たのしい。
3/6 くもり
かばんにぬいぐるみを入れた。おさまりが良くて、写ルンですで撮る。頓服を飲んでから出勤するつもりだったが、このくらいの余裕があるなら大丈夫、と飲まなかった。
花を買った。どれにしようか悩んでいたら、店員さんが声をかけてくれた。プレゼントですか? お家に飾る用です おすすめありますか? いまの時期だと、フリージャ、チューリップ、スイートピーかなあ じゃあフリージアにします 四五〇円だった。緑の茎がうつくしい。
3/7 くもり
足が痛い、と思いながら寝ていた。一時ごろ、強い痛みがはじまり、起きる。バファリンを飲んだ。寒かったのだろうか。あまり眠れなかった。
夜、こころがしなしなになった。わけのわからない妄想をして泣いている。みんながわたしのもとから離れていくことを考える。誰のことも信じていなくてかなしい。
3/8
靴を履いて玄関でうずくまった。職場でもかなしくなったら? 泣いてしまったら? 息が苦しくなったら? 不安になって動けなくなった。
母の発言の節々に棘があって、こころに刺さる。抜けない。こころがもうぼろぼろだ。母のことを信じよう、すきになろう、とがんばったけれど、もう限界かもしれない。ツイートしたら、年上のともだちがメッセージをくれた。安心した。やさしいなー。
親のことすきじゃなくていい。すきでいようとして苦しいなら、すきじゃなくていい。
3/9 くもり、一時 雪
三宮へ。シネリーブルで『落下の解剖学』を観た。え、おわり? こんなに長かったのに、そうおわるの? と思った。明かりがつく。隣のひとに「ねえ、ちょっといい?」と話しかけられる。よくわからんかったよねえ? そうですよね あの女のひとこわかったわねえ (うんうん) ごめんねえ、はあ、すごいもの見ちゃった おどろいて相槌を打つことしかできなかったが、わたしも釈然としなかったから、話しかけてくれてよかった。
隣のひとに話しかけられたことを恋人に言った。なんて言ったの? いや、日記で聞く と返信がきた。日記で聞く。あたらしい。
3/10 晴れ、手袋がいらないあたたかさ
フリージアがきれいに咲いた。散歩したらあたたかかった。昨日はもう大丈夫だと思えたのに、今日はかなしい。